ホットスポット那賀川・桑野川河口域

那賀川は剣山系ジロウギュウ(1929m)に源を発し、山間部、平野を経て紀伊水道に注ぐ一級河川です。
堂々たる風格を持ちながら「阿波の八郎」という愛称のもと、流域住民にとっては身近なふるさとの川です。
那賀川と、支流の桑野川が流れ込む河口域には、流出される土砂により形成された三角州があり、辰巳工業団地が建設されています。
同様に、河口域には、河川や沿岸流によって運ばれてきた土砂が長い時間をかけてゆっくりとつもり、干潟ができます。
那賀川河口域の干潟は那賀川北岸に多く存在し、干潟ならではの生きものが生息しています。

範囲

河口一帯

シンボル生物:シオマネキ

熱帯・亜熱帯地域の、河口付近の海岸に巣穴を掘って生息します。
日本産シオマネキは10種類ほどが知られますが、九州以北では西日本にシオマネキとハクセンシオマネキの2種類だけが分布しています。
徳島では吉野川の干潟と、那賀川の河口にのみ、シオマネキが生息しています。
オスだけ持つ大きなハサミを振る「ウェービング」と呼ばれる求愛行動が見られます。
和名である「シオマネキ」はこの動作が「潮が早く満ちてくるように招いている」ように見えることからつけられたものです。

保全活動

国土交通省那賀川河川事務所では、那賀川の堤防の改修によって失われる干潟を別の場所に創出し、生きものが豊かな那賀川の自然環境づくりを行っています。
新たな干潟は、地域の小学校を対象にした環境学習の場として活用されています。